植物性乳酸菌HSK201
植物性乳酸菌HSK201とは
Lactobacillus plantarum HSK201株は、ザワークラウト(キャベツの漬物)から分離した、安心・安全な植物性乳酸菌です。
日本ルナとグループ会社である日本ハム株式会社 中央研究所がアレルギーの研究を行う中で2000株以上の乳酸菌の中から選抜した植物性乳酸菌です。
酸に強く、胃液に対しても強い耐性を持ち、生きて腸まで届き働くことがわかっています。 抗アレルギー作用について研究した結果、HSK201株が優れたアレルギー改善作用を有することが確認されました。
植物性乳酸菌HSK201の特徴
1.生きて腸に留まる
HSK201株は、胃液や腸液に強く、 生きて腸まで届きます。さらに、生きた状態で腸に付着し、留まります。
胃液や腸液に強く、生きて腸まで届きます
乳酸菌が生きて腸まで届くためには、胃液や腸液といったバリアを通過しなければいけません。 培養した乳酸菌を、人工胃液に添加し、37℃で2時間処理後の生存率を測定した結果、80%以上の高い生存率が確認されました(グラフ1)。
またHSK201株の人工腸液に対する耐性を検討したところ、人工腸液による増殖阻害を受けにくいことが確認されました(グラフ2)。
グラフ1【人口胃液に対する耐性試験】
人工胃液(0.2%NaCl、0.04%ペプシン、1M HClでPH3.0調整)に10%添加し、37℃、2時間処理後の生存率を測定した。
グラフ2【人口腸液に対する耐性試験】
人工腸液(0.3%胆汁酸、1%パンクレアチン)を用いて、乳酸菌の増殖阻害に与える影響について検討した。(グラフの値が小さいほど、人工腸液による増殖阻害を受けにくいことを示す)
生きた状態で腸に付着し、留まります
酸に耐えた乳酸菌が腸まで到達して、さらに腸の細胞に付着して留まることができれば、より効果が期待できます。 そこで、ヒト腸管上皮細胞を用いて乳酸菌の付着効果を検討したところ、腸管上皮細胞にしっかり付着しているHSK201株を確認できました。
2.アレルギー改善作用
HSK201株は、白血球の1種であるヘルパーT細胞のバランスを改善し、高い抗アレルギー効果を示すことが分かっています。
高い抗アレルギー効果があります
花粉症などのアレルギー発症は「ヘルパーT細胞」のバランスと強い関連があるといわれています。この「ヘルパーT細胞」は、白血球の1つで、1型(Th1)と2型(Th2)に分類できます。ふつう両者はお互いのバランスをうまく保っていますが、アレルギー状態ではTh2が優位になることでバランスが崩れ、アレルギーと関連のあるIgEが増加し、アレルギー症状が起こります。そこで、2000株以上の乳酸菌を用いて、乳酸菌のTh1とTh2のバランス改善作用についてマウスの細胞を用いて調べたところ、HSK201株が高い抗アレルギー効果をもっていることがわかりました。
さらにHSK201株をアレルギーモデルマウスに摂取させて、血清中のIgE値を調べましたところ、HSK201株摂取群のマウスでは抑制していることがわかりました(グラフ3)。
3.花粉症症状の緩和
花粉症患者19名を対象として、HSK201株の花粉症症状緩和作用の検証試験を実施したところ、自覚症状の改善効果が確認されました。
HSK201株摂取による花粉症症状の緩和作用
植物性乳酸菌Lactobacillus plantarum HSK201株は、細胞や動物レベルで抗アレルギー効果が確認されています。そこで、ヒトに対しての効果を検討するため、2008年1月から3月までの花粉症の時期に花粉症患者19名を対象として、HSK201株の花粉症症状緩和作用の検証試験を実施いたしました。(第38回日本免疫学会発表)
試験期間中は、HSK201株含有乳酸菌飲料(170mL/日)または乳酸菌非含有乳飲料(プラセボ)を摂取する2グループに分け、それぞれ8週間摂取してもらったところ、HSK201株含有乳酸菌飲料摂取群では、プラセボ群と比較して、自覚症状の改善効果が確認されました。特に、くしゃみ、鼻水、眼の痒み、涙目の症状で顕著な緩和効果がみられました。
また、血液中の花粉症原因の1つであるといわれている血清中のスギ特異的IgE値について、プラセボ群では花粉の飛散量とともに有意に増加したのに対し、 HSK201株含有乳酸菌飲料摂取群では、スギ特異的IgEの増加抑制がみられ、さらにTh1細胞が増加し、Th1/Th2のバランス改善も確認されたことから、HSK201株摂取により、花粉症症状を緩和する効果が期待できます。(グラフ4のスコアが高いほど、症状が重いことを示しています)